帝王切開でお産する事
こんにちは。
秋の風が心地よいですね。
夏の疲れが出てくるこの時期、皆様ご無理なさらぬようお気を付けくださいね。
さて、このおっぱいのお仕事をしていると・・・
帝王切開で出産したママさんが
「ちゃんと産んであげられなかった(産めなかった)」とか
「自然な出産が出来なかったから、せめて母乳はあげたい」とか
帝王切開で出産したことが、赤ちゃんへ申し訳ない気持ちや自分が頑張れなかったから・・・という、マイナスの気持ちで居る事に出会います。
そして話しているうちにママさんたちはポロポロと涙を流します。
赤ちゃんは可愛い。でも何か申し訳ない。自分は母親としてダメだから。頑張れなかったから。
そんな風な気持ちが汲み取れます。
でも!!私は声を大にして言いたい!
「帝王切開だって頑張った出産だよ!立派な出産だよ!!」(^^)/
帝王切開は「陣痛が嫌だから切って下さい」ってお願いしたところで「ハイそうですか、切りましょう」ってなりません。
ちゃんと医学的に必要とされる場合でないと手術は出来ません。
なぜなら・・・やっぱり手術はリスクだから。
よくよく考えてみてください、お腹を開けるんですよ(><)
帝王切開分娩は、一般的に赤ちゃんが誕生するまで部分麻酔です。
(状況によりますが・・・)
「不安」「恐怖」様々な思いと闘いながら、でもママは赤ちゃんに会うために手術台に上がります。
(意識があるって逆に怖いと思いますよ・・・手術室)
帝王切開の場合は助産師が赤ちゃんのお世話係で立ち会う事が多いです。
予定帝王切開の場合は手術前に「今日手術室でご一緒させていただきます」と挨拶をしますし、緊急帝王切開の場合は分娩経過を見ていた助産師が手術室に入ることで、少しでもママが安心できるように・・・という医療者側の願いもあります。
でも、どんなに事前に挨拶をしていても、ママはみんな緊張顔。
「大丈夫ですか、ちゃんと傍に居ますからね」と声をかけても、涙目でこちらを見るばかりで声にならないママが多いです。
そして、やっと赤ちゃん誕生。
すると、緊張して緊張して緊張し続けた糸が、赤ちゃんの無事を確認して、ふっと切れる・・・。
赤ちゃんの産声を聞いて、安心したとたんに「気持ち悪い」と顔が真っ青になっていき、全身麻酔に切り替える・・・という事も多々あります。
その度に「ママさん頑張ったね、おめでとう。ゆっくり眠って。」という気持ちで赤ちゃんの立ち合いをさせてもらったものです。
その後も手術の傷が痛いのに、歩かされ、育児させられ・・・容赦ない助産師の指導(笑)
私はちょっとお腹が痛いと「痛い~」ってヘナチョコなので
あの術後の怒涛のスケジュールをこなしているママたちは本当に頑張っていると思います。
『私にこのガッツがあるだろうか』と、いつも考えてました。
帝王切開でも経膣分娩でも「どっちの方がつらい」とか「どっちの方が頑張った」とかではないのです。
自分が「頑張って産んだ!」と自分を認めてあげる事が大切なんです。
「安産でツルッと赤ちゃんが出てきた」っていう出産だって、ママは頑張ったんです。
「陣痛が弱くて結局帝王切開」っていう出産だって、ママは頑張ったんです。
「心音が下がってしまって帝王切開」っていう出産だって、ママは頑張ったんです。
「逆子だったから予定帝王切開」っていう出産だって、ママは頑張ったんです。
みんな命がけで赤ちゃんをこの世に送り出したんです。
赤ちゃんがママに会いたくて頑張って出てきてくれたんです!
何となく自信が無いママが、たまたまこのブログを読んでくれて、
「そっか、私頑張ったんだ♪」と思ってもらえると嬉しいのですが・・・。
そんなに単純じゃないですよね、実際は。
ただ、頑張ったから今可愛い我が子が腕の中にいる・・・
そうシンプルに考えてみてくださいね。
気持ちがめげそうなときは、そう思って赤ちゃんを抱きしめてもらえればいいなぁと思います。
お産の結果は様々です。
本当に不運が重なると「母子ともに無事」という着地点に行けません。
母子ともに無事・・この結果は幸運の重なりとみんなの努力のたまものです。
出産と育児は他の人や方法と比べるものではありません。
みんな「自分頑張ってる!!」って思いながら「お母さん」になっていきましょうね♪
私もまだまだ「おかあさん」修行中です(^_-)-☆